
アクリルと油絵の違いがあんまり分かりません..。



確かにぱっと見どっちで描いたか分からないものもあるよね。



そうなんです。何となくの違いは分かっても、どっちがいいのか分からなくて。



なるほどね。それじゃあ、今回は特徴やそれぞれの違いを簡単に解説していくよ◎
この記事はこんな人におすすめ
- アクリルと油絵の違いを知りたい
- どちらを選ぶべきか迷っている
- それぞれの特徴を知りたい
アクリルと油絵の違いとは?



アクリル画と油絵にはいくつかの違いがあるよ。
乾燥時間
油絵の場合、絵具が酸化して乾燥するまでに時間がかかります。



指につかなくなるまで大体2〜3日、長くて1週間程度掛かります。
そのため、作品を長い時間をかけて完成させることが可能です◎
一方、アクリル画は水性の絵具であり、乾燥が比較的早く、色を混ぜたりするときにスピーディーに作業ができます。



アクリルは早いと数十分から1日程度で乾燥するぞ〜。
見た目と仕上がり
見た目は描き方によって大きく変わりますが、油絵の方が色の深みを出しやすいです。



こちらが実際に描いてみた比較です。




色に関してはアクリルの方が発色の良さがありますが、下地が透けやすく扱いにくい部分も。
ただ、油絵の方は2色で描いてるのでより発色が悪く見えますが高発色の絵の具を使うとアクリルの様に鮮やかな色が出ます。


よりで見るとこんな感じ。
油絵の方がグラデーションやぼかしが自然なのが分かるかと思います。


乾燥時間などはのちほど解説しますがかなり違いの大きな部分です。
耐久性
アクリル絵具は耐久性が高く、光や湿気に対して比較的強いです。
油絵の場合、色同士の組み合わせにより変色や剥離などの可能性があります。
但し、油絵の場合歴史が長く作品としての耐久性が高いです◎



アクリルの場合歴史が浅いので絵画の耐久性はまだ分かっていません..
溶剤とクリーナー
油絵の場合、溶剤や特殊なクリーナー(筆洗油)が必要ですが、アクリル絵具は水で簡単に洗い流せます。
油絵具
油をベースにしており、主に亜麻仁油やヒマワリ油などが使われます。
これらの油を顔料と混ぜ合わせて作られます。
アクリル絵具
アクリル絵具は水性であり、アクリル樹脂をベースにしています。水とアクリル樹脂を混ぜて顔料と組み合わせてできています。
アクリル画の特徴
- 乾燥が早い
- 耐久性が高い
- 初心者にも使いやすい



アクリル画の特徴はこちら!
速乾性
アクリル絵具は水性であり、乾燥が速いため、比較的迅速に作業を進めることができます。
層を重ねる際にも素早く乾燥するので、効率的な作業が可能です。
耐久性と安定性
乾燥後は柔軟性を保ちながらも耐久性が高いです。長期間の保存にも適しています。
多様な表現
アクリル絵具は他の絵具との混合や多彩な技法に対応しやすく、様々な表現が可能です。
厚塗りから透明感のあるレイヤーまで、幅広いスタイルでの描画ができます。
メディウムを使用すると油絵の様な質感を出したり感想を緩やかにしたりすることが可能です。
使いやすさ
水で簡単に洗い流せるため、筆やパレットなどの用具の手入れが比較的容易です。
また、特別な溶剤や換気が必要ないので初心者の方にもおすすめ◎
アクリル画のデメリット
ぼかしにくい
逆にぼかしが余り必要ない、印象派のような筆触分割、厚塗りなどの描き方にはアクリルが向いています。
速乾性が利点でもありますが、作業中に絵具が乾いてしまうことがあるため、混色やブレンディングが油絵に比べ難しいです..。
正直、どちらも使ってみるとアクリルより油絵の方が簡単という言葉がかなりよく理解できますね。
それぐらい乾燥が早いというのがメリットに見えてかなり扱いにくさに繋がっています。



乾燥を遅くするリターディングメディウムなどもあるので活用するのも良いです◎
また、乾燥が早過ぎて絵の具が結構ムダになりがちです..。
アクリルは油絵具より安価ですが意外と使い方次第では油絵具の方がコスパが良いことも。
乾燥が早いせいで筆がお釈迦になることもしばしば。



意外とアクリルの方がマメな奴向きだな。
色の変化
乾燥後に色が変わることがあります。
特に濃い色や厚塗りの場合、乾燥後に色調が変わることがありますので、その点に注意が必要です。
ちょっと暗くなったりするので仕上がりが変わるのが苦手な方は注意が必要です。
体積が減る
アクリルの場合、水分が抜けて乾燥するため乾くと体積が減る傾向があります。
特に厚塗りをした際やモデリングペーストを使った際に体積が減りやすいので注意が必要です。



ひび割れ防止の為にもジェルメディウムを使用するのがおすすめ◎
油絵の特徴
- 幅広い表現が可能
- 乾燥時間が緩やか
- 深みのある色合い
幅広い表現
油絵は力強い表現から透明感のある描写まで幅広く表現できる特徴があります。
絵具を厚く盛ったり、薄く重ねたりできる柔軟性があります。
アクリルも油絵の様に描くことが出来ますが、意外と油絵もアクリルの様に描くことが出来ます。
乾燥時間
油絵具の乾燥に時間がかかるため、作業時間を調整でき、絵具の状態を変える柔軟性があります。
透明度と深み
油絵具は顔料が油に包まれるため、層を重ねることで透明感と深みを生み出すことができます
油絵のデメリット
乾燥時間が長い



乾燥時間の長さは油絵の利点でもありますが、同時にデメリットになることも..。
絵の具が完全に乾かないうちに重ねると、色が混ざりすぎたり、表面が崩れることがあります。
初めのうちはこの”乾かない”という点が、かなり扱いにくいと感じるかもしれません。
一気に描き上げようとすると色が混ざって汚くなることもしばしば。
意外と精神力を試される画材な気がしますね。
他の画法に比べて乾燥までに暇がかかるため、作品の出来上がりにも日数がかかります。
独特な匂い
油絵具には独特の匂いがあり、嗅覚過敏の方には少々つらいかもしれません..。
一応無臭タイプの揮発性油(薄め液)やブラシクリーナーはありますが正直普通に匂いはしますね。



匂いについては慣れた方が早いな~。
絵具の組み合わせに注意
油絵具の組み合わせには注意が必要で、酸化の過程で黄変したり変色したりすることがあります。
黄変とは?
文字通り黄色く色が変色することです。
どっちが向いてる?
表現方法の違い
油絵は乾燥が遅く、色を重ねることができるため、滑らかな変化や重厚感を表現するのに向いています。
一方、アクリルは早く乾燥し、透明感や鮮やかな色彩を表現するのに適しています。
臭いと安全性
油絵具には特有の匂いがあり換気が必要ですが、アクリルは匂いが少なく水で洗い流せるため扱いやすいです。
家族やお子さんと暮らしている方はアクリルの方が遥かに扱いやすいですね。
特に有毒性があるものが多く、換気も必須なため油絵の場合は真冬と真夏が地獄です..。
またペットを飼っていると部屋に作業スペースを出禁にする必要があるので、そこもかなりデメリット。



せっかく在宅なのに一緒に過ごせないの哀しい..。
保管と乾燥時間
油絵は乾燥に時間がかかるため、作品の保管や修正がしやすいですが、アクリルは速乾性があるため、制作時間が長くなりやすいです。
実際に先程紹介したの雲の絵はアクリルの場合3時間程度、油絵の場合は作業時間1時間半+乾燥時間でトータル3日掛かりました。
意外と油絵の方が作業時間自体は少なく済むことが多いのですが乾燥で完成日数が延びやすいんですよね。



何枚も同時進行出来る方は油絵向きかもな~。
初心者向けなのはどっち?
初心者は圧倒的にアクリルの方が描きやすいですね。
アクリルは使いやすく水溶性で扱いやすいため、油絵よりも始めやすいです◎
油絵の場合はオイルや揮発性油などの使用する画材が多く意味不明になりがちです。
アクリルは美術の時間などに使った方も多いと思うのでより馴染みのある画材です。
経済的に始めやすいのは?
アクリルは油絵よりも材料や使用時の手間が少なく、コスト面での負担が低いです。
ただ意外と油絵も安いセットもあるので抑えようと思えば一万円以内に抑えることが出来ます。
ですが、まずはアクリルから始めてみるのがおすすめですね。
併用は可能?
油絵具はアクリルの上に塗ることができますが、逆はNGです。
油絵の具は厚みがあり油性の為、その上にアクリルを重ねると剥がれる可能性があります。
アクリル絵具を使用した後、油絵具を重ねる場合、アクリルが完全に乾燥していることを確認しましょう。
特にアクリルジェッソを塗った後3日程度きっちり乾かすことが大切です。
まとめ
油絵とアクリル、似ているようでわりと違う画材。
それぞれの利点や特徴を活かして自分に合う方法が見つかれば幸いです。



ここまで読んで頂きありがとうございます。ぜひ他の記事も読んでみてね。
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