「悪くない」はプロへの壁。可愛いのに印象に残らない絵を、心に居座る「作品」に変える4つの視点

当ページのリンクには広告が含まれています。
目次

可愛いし綺麗なのに、なぜか残らない絵について考えたい

最近、自分の絵を見ていて、少し引っかかることがあります。

可愛くないわけではない。

綺麗じゃないわけでもない。

色も空気も、そこまで嫌ではない。

むしろ、自分が好きな方向にはちゃんと寄っているはずなのに、なぜかそこで止まってしまう。

見返した時に、「綺麗にはまとまっている」とは思う。

でも、その先がない。

心のどこかに居座る感じが薄いというか、もう一度見たくなるほどには残らないというか。

少なくとも、自分の中ではそう見える時があります。

きわめてどこかが悪いわけじゃない。

それなのに、なぜか残らない。

イヅミ シキ

この感覚の正体を、今回は考えてみたいと思います。

可愛い絵が悪いわけではない

まず、ここは切り分けておきたいです。

「可愛い」とか「綺麗」という方向性そのものを否定したいわけではありません。

むしろ私は、やわらかい色も、静かな空気も、淡い光も好きです。

少し儚くて、触れたらほどけそうな感じにも惹かれます。

もっと尖らせなきゃとか、もっと派手にしなきゃとか、そういう話でもない気がしています。

イヅミ シキ

ただ、可愛いし綺麗なのになぜか止まらない。

そこが問題なんですよね。

見た瞬間に印象が悪いわけではない。でも、見たあとに少し残る感じが弱い。

「好き」で終わる。
「いいね」で終わる。

でも、それ以上の引っかかりが生まれにくい。

残らない絵は焦点の薄

自分の絵を見ていて思うのは、残らない時って、どこかに焦点の薄さがあることです。

全部それなりに整っている。
全部それなりに優しい。
全部それなりに綺麗。

でも、だからこそ逆に、どこに強く引っかかればいいのか分からない。

見ていて嫌ではないけど、ひとつだけ強く持って帰るものがない。

たとえば、主役。

どこをいちばん見てほしいのかが少し曖昧だと、絵全体がやさしく流れてしまうことがあります。

色も光も空気も悪くないのに、見終わったあとに輪郭が残らない。

次に、感情

静か、やわらかい、綺麗、可愛い。

そのあたりの言葉ではまとめられるけれど、その一段奥にある感情がまだ弱い時、絵は整って見えても浅く感じることがあります。

そして、物語。

大げさなストーリーが必要なわけではないけれど、その絵の前後を少し想像できるだけの“気配”がないと、表面だけでするっと終わってしまう。

その場で好印象ではあっても、あとで思い返すほどには残らない。

つまり、可愛いし綺麗な絵が残らない時って、下手だからというより、

どこかが弱いというより、全部が同じ温度で終わっているのかもしれません。

「悪くない」は、意外と強くない

これは少し痛いのですが、自分の絵を見ていると、「悪くない」で終わる瞬間がけっこうあります。

ちゃんとまとまっている。色も好き。

でも、だから何かを強く動かすかというと、そこまでは行かない

この「悪くない」は、実はかなり手強いです。

明確に失敗しているわけではないから、直す場所が見えにくい。

でも、残らない。

たぶんここで必要なのは、完成度を上げることだけではなくて、印象の芯を少しだけ強くすることなんだと思います。

もっと言うと、

「全部が綺麗」より、

どこか一か所がちゃんと残る方が強い。

可愛いも綺麗も、絵の魅力にはなる。

でも、その魅力が均一すぎると、逆に記憶に残りにくい。

たぶん私は、自分の絵がそこに入りがちなんだと思います。

じゃあ、何を足せば少し残るのか

ここは、自分への改善メモとしても残しておきたいところです。

可愛いことをやめる、ではなくて、

可愛いし綺麗な絵のまま、少し残るものに寄せるには何を足せばいいのか。

今のところ自分の中では4つある気がしています。

主役の強さをもう少しはっきりさせる

全体をきれいに整えるより、まず一番見せたい場所を強くする。

明暗差でもいいし、エッジでもいいし、彩度でもいい。

とにかく、最初に目が止まる場所を曖昧にしない。

今の自分の絵は、全体を均一に整えがちです。

えあにゃん

ぼかして雰囲気だけ整えてるよな~。

でも、それだと空気は綺麗でも、印象が散ってしまう。

残る絵にしたいなら、

「全部いい感じ」より、

ここだけは持って帰ってほしいを作る必要があるんだと思います。

感情を一つだけ深くする

絵にいろいろ詰め込むより、まず残したい感情を一つだけ深くする。

寂しさでも、ぬくもりでも夜の静けさでも、置いていかれた感じでもいい。

今の自分の絵は、やさしい、綺麗、静か、可愛い、あたりで止まりやすい。

でも、その先にもう一段、

「だから少し残る」が必要なんだと思います。

そのためには、感情を広げるより、むしろ絞る。

この絵は何を残したいのか

そこが少し強くなるだけで、可愛いし綺麗な絵でも深さは変わるはずです。

少しだけ引っかかりを置く

全部が予定調和だと、やっぱり流れていきます。

だから、一か所だけでもいいから、少しだけ引っかかるものを置く。

それは派手な違和感じゃなくていい。

むしろ、見た瞬間には説明できないくらいの小さなズレで十分です。

可愛いモチーフなのに、影だけ少し深い。

やさしい色なのに、余白が少し寂しい。

綺麗な構図なのに、視線だけ外れている。

そういう小さな引っかかりがあると、絵は少し残りやすくなる気がします。

可愛いを壊したいわけではない。

ただ、その可愛さがそのまま流れてしまわないように、少しだけ足場を作りたい。そんな感じです。

「飾られる場面」まで考える

これは制作の話でもあり、見せ方の話でもあります。

残る絵って、感情だけじゃなくて生活の中に入る想像も持ちやすい。

この絵はどんな部屋にあるのか

朝なのか夜なのか。

一人の時間に似合うのか、誰かと暮らす場所に似合うのか。

そういう具体性があると、絵は“綺麗な画像”から少し離れてもう少し手元に近いものになる気がしています。

自分の絵にそれがあるか、と言われると、まだ弱い時も多いです。

だからこそ、可愛いや綺麗のまま残る絵に近づけるなら、

ここもちゃんと考えたいところです。

自分の絵を見る基準を、少しだけ変えたい

これから自分の絵を見る時、たぶん基準を少し変えたいです。

可愛いかどうか。綺麗かどうか。まとまっているかどうか。

もちろん、それも大事です。

でも、それだけだと足りない。

その絵に、少し残るものがあるか。

見たあとにもう一度戻ってきたくなるか。

ただ印象がいいだけで終わらず、少し引っかかる核があるか。

やさしさのまま、少し残る。

淡さのまま、少し深い。

そんな絵に近づけたらいいなと思っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次