模写って意味あるの?
よく模写がいいとは聞きますが、模写って意味あるんでしょうか..?
模写はお手本の技を盗む、という目的であることが多いよ。
盗む、という言い方は聞こえが悪いですが『取り入れる』事が出来るという意味があります。
今回は模写のやり方や効果などを分かりやすく解説していくので、良かったら最後まで見てみてくださいね。
模写の効果
- 手本としている絵の技術を取り入れることが出来る
- 手癖を矯正する事が出来る
- 観察力や忠実に描く力がアップする
デッサンとの違いは?
デッサンの意味は、『絵画・彫刻の着想の大体をかき表す下絵。素描。または、鉛筆や木炭などの描画材を使用し、モチーフの形をモノトーンでとらえて描くこと』とされています。
なんか分かりにくいな。
一方、模写の場合は『あるものにまねて写し取ること。また、その写し取ったもの。忠実に再現すること』とあります。
ただし、小難しいのでより感覚的に比較するとこんな感じですね。
- 複製(コピー)
- 技術を取り入れる事が目的
- 観察力が得られる
この2つ、違うようで似ている。似ているようで違うややこしい言葉ですよね。
例えば『観察力が得られる』という効果。
同じ意味でも意味がちょっぴり違います。
模写における観察力とは、技術的な発見です。
手本となる作者がなぜこの線を描いたのか?使用されている影色の彩度が思っているよりも高い、その他比率や筆運びなどなど。
一方、デッサンにおいての観察力とはモチーフにおいての発見です。
リンゴの表面の感触やテクスチャー、影の境界や質感など。対象物に対する観察力や解像度の向上に役立ちます。
その他にも違いは色々!
デッサンというと“モチーフそっくりに描く”イメージがありますよね?
それなら、『模写もデッサンも同じじゃない?』と思う方も多くいるかと思います。
模写が元の絵に対する完全コピーだとすれば、デッサンはモチーフの『らしさ』を表現するもの。
つまり、『らしくみえるならそのまま描く必要はない』ので割と嘘をついてます..。
なので“そっくりに描く”という行為においても意味や行動、そもそもの目的が違っているんです。
模写の効果的なやり方とポイント
- グリッド線を引く
- 手癖で描かない
- ネガティブスペースを意識する
- 答え合わせを行う
グリッド線を引く
意外とやらない人が多いグリッド線!
よく模写のコツに『グリッド線を引きましょう』という言葉がありますが、あまりやらない方も多いのではないでしょうか。
グリッド線を引くと位置を把握したり修正しやすくなったりします。
その他、ネガティブスペースを意識出来るので模写の精度が上がります。
手癖で描かない
模写=コピーですがつい、手癖で描いてしまう多くいますよね。
かくいう私もよく手癖で描いてしまう事がよくありました..。
- 技術が学べない
- 絵柄が似ない
- 模写の効果が半減
何故かいつも元の絵より幼くなってしまいます..
つい手癖で描く事で、絵柄が似ず結果模写も意味がなくなる..という事になりがちです。
ポイントは『個性を出さない』事を意識することですね◎
楽、という理由以外にもつい自分のオリジナル性を出してしまう事も原因の手癖。
言葉はあれですが『自分は贋作者になるぞ!』『写経の精神』くらいの気持ちで描くのが重要ですね。
いかに個性を出さずに模写を行うかがポイントです。
全力で吸収しろよ~。
ネガティブスペースを意識する
ネガティブスペースとは?
つい、ポジティブスペースばかりに意識がいきがちですが『ネガティブスペース』もとっても大事。
ネガティブスペースを意識することで形のずれを見つけやすくなり絵のバランスが整います。
空いた空間の形を合わせたり、そこを目安とすることで全体的な形が合いより正確な模写をすることが出来ます◎
答え合わせを行う
模写を行ったら必ず答え合わせをしてみましょう。
ぱっと見、似ているように見えても線を重ねてみるとかなりずれている..という事も少なくありません。
アナログの場合も写真を撮り重ねてみることが大切です◎
模写の著作権は?
模写≠著作権侵害ではなく著作権のあるイラストを模写することが複製権の侵害、という事になります。
因みに私的利用ならOKだよ。
CCOといったパブリックドメインの画像やイラストは著作権を放棄しているので模写を行っても特に問題はありません。
かわいいAIイラストを模写してSNSにあげてもいいんでしょうか?
AIイラストは著作権がないから基本は大丈夫。でもちょっと注意点があるんだよね..。
生成したイラストが既存のイラストと似ていた場合類似性として著作権侵害になる可能性があります。
ただし、偶然似てしまった場合はというと依拠性(元の作品を知ったうえで参考にしたか)を問われまた結果が変わってきたり..とややこしい部分はあります。
なので、一番確実に安全なのは模写したイラストをSNSにあげないこと!
文化的に二次創作などは容認されることが多いので(グレーゾーン)模写イラストをSNSにあげても訴えられる..といったことはまずないでしょう。
しかし、あくまでも目を瞑るだけといった形なので安全に模写を行うにはやはり私的利用の範囲で行うことがおすすめです。
私的利用とは?
私的利用の範囲とは、個人や家族、ごく限られた親しい範囲です。
その為、不特定多数の人が見るXやインスタグラムなどのSNSにアップロードすると公衆送信権の侵害となります。
もし模写を上げたい!という場合は、著作者や出版社を通じて許可を取ることが必要になってくるので注意が必要ですね。
まとめ
模写は、正しく行う事で絵の上達に繋がります。
特に重要なのはそっくりに描く事よりも”相手の技術を取り込む”という意識。
それを踏まえた上で模写を行うとより効果的に結果を得られると思います。
ぜひ、お手本の絵師さんの模写してみてね。
上達頑張れよ〜。
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