絵具の見方が分からなくて困ってます..。
ラベルの表記ってちょっと難しいよね。
似た名前の絵具があったり、シリーズ番号の意味があんまり分かりません。
うんうん、なるほど。それじゃあ今回は絵具の見方をなるべく分かりやすく解説していくね。
この記事はこんな人におすすめ
- ラベルの見方を知りたい
- 顔料や堅牢性などについて知りたい
- 絵具をもっと使いこなしたい
絵具の特徴を知るには?
- 色番号
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メーカーの商品コードです。顔料名(pr122など)と混合しやすいので注意!
- 色の名前
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カドミウムレッドやアリザリンクリムソンなど、絵の具の名前が表記されています。
i-MY(あいまい)同じ色でもメーカーによって違う名前だったりするから気をつけてね◎
- ブランド名
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メーカーやブランドの名前が表示されています。
- 容量
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20mlや60mlといった絵の具の量やサイズの表示がされています。
- 耐光性
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よく本の表紙が直射日光の影響で、色が抜けたり薄くなったりしますよね。それと同じように絵具も色によっては色が褪色してしまう可能性があります。
耐光性は文字通り、日光に対する耐性でAまたは☆の数が多いほど褪色がしにくいカラーです。
アリザリンクリムソンPR83などは、耐光性が低く色が褪色しやすいので注意!
- 空の色が変わったゴッホの絵画の秘密とは?【英語多読ニュース】 – ENGLISH JOURNAL 「英語多読ニュース」(3月27日号)。今回取り上げるのは、調査で本来は別の色だったことが分かった、ゴッホの絵画に関するニュースです。
- 堅牢性
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堅牢性(けんろうせい)は簡単に言うと丈夫さです。
- 顔料名
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顔料=PG(ピグメント)は、それぞれ指定の顔料コードで呼ばれています。
i-MY(あいまい)メーカーごとに色名の付け方が違うから迷子にならないように指定されてるよ◎
Pr122やPb16といったP+○+数字で表示されています。
数字の意味や重要性については後ほどさらに詳しく解説していきますね。
- 乾燥目安
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チューブから出した状態の大まかな乾燥日数。
乾燥促進剤やメディウムを混ぜない状態の純粋な乾燥目安です。
- 混色制限
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混色した際に、黄変など問題が起こる場合は混色制限がかかります。
代表的な例はウルトラマリンブルーとシルバーホワイトですね。
別名『ウルトラマリン病』とも言い、この二つを混ぜると変色の可能性があるので混色が禁止されている場合があります。
i-MY(あいまい)とはいえ現代だと割と何を混ぜても問題はないらしいです..。
- マーク
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安全性や人体に危険及ぼす場合、引火性がある場合などどのケースでもマークが記載されています。
- 不透明度
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透明/半透明/不透明の3つに分類されます。
i-MY(あいまい)半透明に近い不透明などもあるのであくまでも大まかな分類です。
透明度ごとにそれぞれ得意不得意や特徴があるので、知っておくととても便利です。
えあにゃん詳しい特徴はあとで説明していくぞ~。
似た名前の絵具って何が違うの?
『カドミウムレッドとカドミウムヒュー』といった似た名前の絵の具の違いが分かりません..。
大抵の場合、顔料の違いやメーカーの色名の違いがあるよ。
この2つを良く見てみると、主に顔料に違いがあります。
W&Nの場合、カドミウムレッドはPR108(カドミウムレッド)ですがカドミウムレッドヒューはPR177,PR188(ナフトールレッド)となっています。
その他、顔料が同じでもメーカーごとに違う呼び名がつけられていることもあるのでぜひラベルを見比べてみるのがおすすめです◎
ヒューやチントの意味
特に学生用の絵具の場合は、○○ヒューや○○チントといった絵具が多くあります。
これらは、高価で毒性の強い絵具を安価で安全な絵具に置き換えたものを意味しています。
代表的な代替顔料はこちら!
- カドミウム系(カドミウムレッド、カドミウムレッドイエローなど。)
- コバルト系(コバルトブルー、コバルトバイオレットなど。)
- ビリジャン
- バーミリオン
これらの絵具は基本的にとてつもなく高いので、リーズナブルに手に入るようこれらの色に似せた色で作られてるよ◎
バーミリオン(辰砂)の高さは震えるな・・
一概に高価な色=良いという訳ではなく、むしろ代替顔料の方が発色や耐光性などが優れていることもあります。
あくまでも画家や巨匠の使った本物の色を使いたい場合やプロ用を使いたい場合にはおすすめです。
練習などはヒューのついた絵具を使うとコスパ良く描く事が出来ます。
パーマネントの意味
パーマネントは不変を意味していて、耐光性の低い絵具の置き換えとして売られています。
- パーマネントアリザリンクリムソン
- パーマネントイエロー
- パーマネントオレンジ
アリザリンクリムソンやクロム系のような褪色が激しい色は置き換えられてるよ◎
透明度ごとの特徴は?
特に半透明の絵具の使いどころが分かりません..。
透明の場合は『グレーズ』、半透明は『混色向き』、不透明は『力強い表現や固有色』に向いています。
グレーズとは?
透明な色で上塗りし、全体の色調を変えたりまとまりを出す時に有効です。何層も重ねていくことで油絵特有の深みが出ます。カラーセロハンやデジタルでいうとオーバーレイと同じ役割。
半透明色は、混色に向いていて混ぜる色を丁度よく調整してくれる働きがあります。特に白系の色においてその効果が分かりやすいです。
チタニウムホワイトのような不透明色は混色すると過度に白くなりやすいですが、パーマネントホワイトなどの半透明色は色が強すぎず混色がしやすいです。
また、スカンブル技法にも使えます◎
スカンブル技法とは?
半透明の絵具を薄く塗り重ね、下地の色を見せる方法。グレーズとの違いは透明度。
不透明色の場合は、隠ぺい力が強いので色の印象自体が強い傾向にあります。
バーミリオンやカドミウムレッドなど、ガツンとくる色が多く塗り隠したい際や強調したい部分、固有色などに使用するのがおすすめ◎
PGを知れば絵の具の正体が分かる
顔料(PG)について軽く説明はしましたが、まだイマイチ必要性や意味が分からないといった方も多いはず..。
特に顔料は沢山あって覚えるのも大変ですよね。
ある程度知っていけば筋肉の名称のように、『PV19=キナクリドンバイオレット』というようにパッと分かりますが中々そうはいかないと思います。
そこでまずは、アルファベットの意味や数字の意味を知ることを知ることが重要です。
アルファベットの意味
PW(ホワイト) |
PR(レッド) |
PY(イエロー) |
PO(オレンジ) |
PG(緑) |
PB(ブルー) |
PV(バイオレット) |
PBr(ブラウン) |
PBk(ブラック) |
Pに続くアルファベットは色の頭文字を表しており、数字はカラーインデックス(C.I.Name)に追加された順の番号になっています。
これを表示することで、メーカーごとに色名の違う絵具を正確に記すことが出来ます。
因みに顔料名は覚えずとも検索すればすぐに出てくるのでよく使う見かけるものをさらっと覚えとくと便利です。
- PR108(カドミウムレッド)
- PV19(キナクリドンバイオレッド)
- PB29(ウルトラマリンブルー)
- PW6(チタニウムホワイト)
無機顔料や有機顔料って何?
顔料には大まかに分けて3つのタイプがあります。(細かく分けるそれぞれ更に天然と合成のタイプがあります。)
無機や有機という文字を見ただけでも意味不明でめんどくさいですよね..。なので分かりやすく簡単に説明します◎
無機顔料のキーワードは『高い』『耐光性が高い』『隠蔽力が強い』の3つ!
- 有毒性がある場合が多い
- 高価な傾向
- 不透明度が高い場合が多い
基本的に高価で重金属や鉱石など、『貴重』なものが多いです。
無農薬野菜みたいなイメージを持つと分かりやすいかもな~。
ただ、例外もあり土系のカラーは大量に作ることが出来て安価です。
土なので手に入りやすく比較的昔からあるカラーです。
因みに
無機顔料の場合、天然と合成の違いはこちら!
天然/…鉱石や土(バーントアンバーやローシェンナなど。)といった自然物。
合成/金属を加工して作られたもの。(コバルトやカドミウム系)
天然の方はあつもりで採れそうだな〜。
色が濁りやすい原因はコレ!
- 混合顔料で複数の顔料が使われている
- 寒色と暖色の混色
絵具には単一顔料と複数の顔料が混ざった絵具があります。
混合顔料はコンポーズカラーとも呼ばれたりするぞ~。
コンポーズとは
構成する、組織する、作り上げるという意味があります。絵具の場合はあらかじめ混色してあるという意味合いで使われることが多いです。
既に使いやすく混色が済ませてあるので、さらに他の色と混ぜてしまうと彩度が下がり色が濁ってしまいます。
絵具は基本的に3色以上混ぜると濁るので注意してね。
- 色が鮮やかなものが多い
- 混色では作れない色もある
- 混色しても濁りにくい
チューブに表示されている顔料の数を確認してみると絵具がどちらのタイプかが分かります。
マークの意味は?
油絵の具や画溶液などの化学品はGHSマークが表示されています。
GHSマークとは
安全性や危険性などにより分類された規格を示す世界共通で統一されたマークです。海外メーカーや国内メーカー問わず同じようにマークが付けられています。
炎マーク | 引火性あり。高温に注意。 |
どくろマーク | 急性毒性に注意。触れたり体内に入る事で健康障害の可能性があり、死に至る可能性も。 |
人体マーク | 短期間〜長期間、体内に取り込んだり(絵の具を舐めるなど)触れる、また吸収する事で健康に害がある可能性がある。 |
!マーク | 眼への強い刺激や急性毒性、皮膚刺激性など人体に影響を及ぼす可能性がある。 |
その他、GHSとは別に米国美術材料協会が発行している安全の基準別マークがあります。
APマーク | (安全性の一定基準を満たしている) | 人体に安全
CLマーク | 使用方法によっては健康被害の可能性あり。 |
まとめ
絵の具には様々な情報が書かれており、それを正しく読み取ることが出来るとより絵の幅が広がります◎
また危険性などを理解することで安全に絵を描くことを楽しめることが出来ます。
これを機に絵の具のラベルに注目してみてね!
安全に楽しめよ〜。
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