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「いないもの」として生きたら人生が少し楽になった話

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人生どうでもいいやって思う事あるよね。私は、そうだった。多分ね、今もそれは変わらないけれど。

自分自身の人生が心底どうでも良くて、目的もしたい事もない。自分なんて、って延々と自己嫌悪に陥っては投げ出したくなった。その気力すらなかったけれど、毎日漠然と焦りや厭悪でいっぱいだった。

私には、一人ネットの友人がいて。積み重ね的に人生に対して疲弊していった事を正直に話したんだよね。

相手は鬱病を患ってたから、余りそういう事は言いたくなくて長い間その事は黙ってた。自分より辛い人間に「辛い」なんて言うのはタブーでしょ?だって皆怒るもんね、「私の方が辛い」って。

精神的にしんどい事を打ち明けて、返事は返さなくて良いよとは言ったものの一言もない返信に友情が冷めた。

あぁ、所詮そんなもんか」って。

今まで、口を噤んで無理をしてきた事が本当に何の意味も為さなかった事への脱力だとか。今まで密かに積もり積もった価値観のズレが、修繕出来ない所まで来ていたのかも。

なんて、言うのもただの傲慢に過ぎないのかもしれない。

人間関係にも疲れて、生き方が分からなくなって。どうしようって悩む事に疲れ果てた末、いないものとして楽しく暮らす事に落ち着いた。

「いないもの」っていうのは、私の好きなAnotherっていう小説の中で出てくる言葉で、文字通りそこにいるのに透明人間の扱いをされるんだよね。

いじめじゃなくて、呪いへの対抗策って所なんだけど興味あったらぜひ読んでみて。ちょっと長いけど面白いから。

どうせ、生き苦しいのなら楽に人生暮らせる方がいいよね。だから自分を死んだ事にして、いないものみたいに好きに生きていれば少しは楽しく生きられる。

マインドフルネスっていう言葉も流行ってるけど、それに近いのかも。

「今を生きる」っていうのは、案外難しいことでしょ

でも、自分は死んだんだと思うとただ生きてる頃よりも生き生きと生きられる気がする。明日の事とか考えなくて済むからさ。やりたい事をやって、好きな様にして。

元々人の視線だとか、行動だったり感情を気にしてしまいがちだからこの方が楽で良い。「どうせ見えてないし」って思えばあんまり気にならなくなるし。

よく幽霊とかが死後も自分が生きてると思ってここに住み着いてるとか言うけどモチベーションとしては、それに近いと思う。

胡蝶の夢って話知ってる?自分が蝶になる夢を見て、だけど目が覚めてもしかすると蝶が自分になる夢を見ているのかも知れないって話。

オカルトとかスピリチュアル感が強くなっちゃうけどさ、私達も変わらないよね。幽霊が生きていると思ってそこに暮らしているなら私達が本当に生きているって証拠なんかない。幽霊は当時のままで、人も街も動いて見えるみたいだから。本当は死んでるのかも。なんてね。

いないものを始めて、いちばん感じたのはやっぱり自分の好きな事を気にせずにやれる事だと思う。

生前にやりたかった事とかやってみようみたいな感じで。それが回り回って今を生きる事になると私は思う。

「こんな事してちゃダメだ」とか「遊んでる場合じゃない」とかさ、余計なことを考えなくて済むようになる。

因みに、今日はクッキーを作ってみた。めちゃくちゃ楽しかったしやっぱり自分で作るスイーツは美味しかった。市販のとはまた違った良さっていうのかな。これからもお菓子作りを少しずつやってみたいと思う。

本当はさ、今日は先程話した友人と約束みたいなものがあったんだけどそれよりずっと有意義な時間だった。多分、その友人も私と話したい訳じゃなくてゲームについて語りたかっただけだろうしね。聞き役が得られればきっとそれは誰が相手でも同じ事だから。

まぁ、相手の考えなんていくら頭を働かせたって推し量ることしか出来ないけど。

皆も、人生疲れたとかどうでもいいなって思ったら一度死んだ振りをしてみるのもいいかも。

ネガティブな響きだけど案外明るくなれるかもね。本当に自分がやりたかった事、食べたいもの、欲しい物。それを満たす事が寄り道だとは思わないから。寧ろ遠回りに見えて一番の近道なのかもしれない。

疲れたら、皆も休んでね。無理しないで。終わりのない問題なんてないし、きっといつか良くなる日が来るよ。

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i-MY (あいまい)
油絵やアクリル、デジタル絵描き/イラスト書籍・製品レビューは全て実際に読んだものや体験・使用したものを記事にしています/イラスト歴は約3年/田舎住まいののんびり絵描きです。

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