非日常の裏はただの日常の積み重ねという話

私は元々、凄く夢見がちな人間だった。

とりわけ好きだったのは不思議の国のアリス。

非日常で好奇心が刺激されて、いつかあんな世界に行ってみたいと思っていた。

演劇や画家、コスプレイヤーやパフォーマーなど。そういった人達に凄く憧れてた。

非日常、それに凄く魅力を感じてた。

高校生まではずっとそんな世界でいっぱいだった。大人になったら小説家になろうとか。アンティークの服や家具などを集めたり。非日常な日常を作りたい、なんて理想を抱いてたこともある。

けれど、大人になるにつれて段々とそういった非日常がいかに現実的で日常の積み重ねに過ぎないか気づくことになった。

アリス・イン・ワンダーランドの裏はグリーンバックのCGばかりで出来ていたし、舞台俳優の普段の稽古は汗にまみれて何度も何度も繰り返す練習。

どんなに素敵な店を作っても、毎週のごみ捨ては行かなきゃいけない。綺麗な絵を描くにも、汚れながら複雑な工程を何個も重ねる必要がある。

非日常の裏は現実の塊で、それらを避けて通る事は出来ない。

どんなに素敵な舞台だって、どんなに綺麗なコスプレイヤーだってメイクを落とせば日常に戻る。

大人になるにつれて、そういう現実の側面に気がついたことが少し虚しくも思えば成長したんだろうとも思う。

日常を作る人、非日常を作る人。それぞれが循環して、それぞれが作用している素敵な世の中の一部に私もなれたらいいなと思う。

日常の中の非日常、非日常の裏の日常。

夢を見ながらも現実的に努力が出来る、そんな人間になれたらいいな。

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