皆さんこんにちは、管理人の花影-kaei-です。
絵描きに刺さる言葉の数々
美術は面白いですよ
自分に素直な人ほど強い
文字じゃない言語だから
佐伯昌子/ブルーピリオド1巻:著者 山口つばさ
美術に興味ないと言い立ち去ろうとする八虎に美術部の先生である佐伯昌子先生が言った台詞。
通常、強いというのは身体的に優れていたり頭が良かったりある意味狡猾な人間だったり、または人の上に立つような人(クラスでいう一軍)が強いと言われたりします。
しかし、美術はそうではなく純粋に自分の描きたいものや心に素直になれる人こそが強いという台詞はとても刺さりました。
自分の感覚や感性、それに従って作り上げる事こそが最良の出来を発揮するというのは美術ならではの特徴で、こ台詞に胸を打たれた方も多いのではないでしょうか。
才能なんかないよ。
絵のこと考えてる時間が人より多いだけ
森先輩/ブルーピリオド1巻:著者 山口つばさ
絵は才能、絵を描き始める前は私もそんな風に思っていました。
絵を描かない人間からすれば上手い絵は魔法で「どうやって描いたのか」もてんでわからないものでした。
しかし、絵を初めていくうちに明確に分かった事は絵は技術であり、そして上手い人たちは絵に費やす時間が人よりも多いというシンプルで当たり前のこと。
マジックもタネをしれば魔法ではなく高度に洗練された技術だということが分かりますよね。
魔法や才能と言われるものも紐解いていけば技術や努力の塊だということが分かります。
あなたが青く見えるならりんごもうさぎも青くていいんだよ
森先輩/ブルーピリオド1巻:著者 山口つばさ
当たり前、普通。特に日本の社会はそういった普遍性や協調性を重要視されますよね。
みんなと同じようにするのが当たり前。出来ないのは、何か問題があるのではないかと見なされたり違う意見を排除し排他的になりがちです。
しかし、「青くてもいい」という言葉はそうしたありのままでいい・普通じゃなくてもいいという肯定を含んでいるように感じ思わずうるっときました。
自分の感じるままに人へ伝えても「変なの」と言われたり意味わかんないと貶される事も少なくはありません。
ですが、絵の中でなら許されるようなそんな気分になります。
絵を描く上でそう言った一般的、など社会的なものからの自由を感じたことがある人は少なくはないと思います。
「好きなことは趣味でいい」
これは大人の発想だと思いますよ
佐伯昌子/ブルーピリオド1巻:著者 山口つばさ
絵を仕事にするなんて出来っこない。そういうものは趣味としてやるのが最適だと正論のようなものを投げつけられたりすることがあります。
しかしそれは、本当に正しいのでしょうか?
都合よく安定した道に行かせるための言葉なのではないでしょうか。
夢は、大抵否定されがちです。
ですが、大人である佐伯先生がこの台詞をいうことでより「それは違う」とはっきりとした否定になるのだと思います。
お絵描き=趣味という壁を壊してくれる一言です。
好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?
佐伯昌子/ブルーピリオド1巻:著者 山口つばさ
好きな事は何?とよく人生の中で何度も繰り返し聞かれる質問です。
けれど、その「好きなこと」を人生を通してやっていくのは非常に難しかったりします。
周りからの反対や批判、経済的な理由や家庭の問題。
好きでもない仕事をして、楽しくもない毎日を送っているという方も少なくはないはずです。
特に「絵」というのは周りからの批判に特にさらされやすいものです。
慶應を目指す!という夢と美大を目指す!というのでは親や周りの反応は全然違ってくると思います。
しかし、やりたいものをやるのは普通の事じゃない?という先生の言葉は凝り固まった価値観や縛られていた考えから抜け出せるような、そんな気持ちになる一言です。
わかりません!
でも好きなことをする努力家はね
最強なんですよ!
佐伯昌子/ブルーピリオド1巻:著者 山口つばさ
美術の授業で描いた絵をきっかけにどんどん美術へ興味が惹かれ心が揺らぐ八虎。自分は美大に受かるのか?といった不安や疑問を佐伯先生にぶつけた際先生が八虎に言った言葉。
わかりませんと潔く言うのも、なんだかスッキリするというか分からないものは分からないとはっきり伝えるところがまさに美術の不規則さと先生の誠実さのように感じます。
そして努力は最強、この言葉は絵に拘らず色々なことに共通することだと思います。
好きなこと、そしてそれに向かって努力することは最強。
この言葉を胸に絵を頑張っていこうと思える一言です。
これは応援しなきゃいけないね。
八虎母/ブルーピリオド1巻:著者 山口つばさ
当初八虎の藝大受験に否定的だった母。しかしある時ふと八虎の部屋にある綺麗に描かれた絵、そしてそれらがたった2ヵ月で上達していることに八虎の本気を感じ取った母が言った台詞。
好きなことをしていくのも自分ひとりだけで成し遂げられるわけではありません。
周りの協力、応援あってこそのものであると思います。
そのため例え自分の夢ではなくても応援する以上周りの人たちも「覚悟」が必要になってきます。
応援しよう!と言うよりも半ばなし崩しのような、「これは止められないね..」と言ったニュアンスがあるのが非常にリアルだなと感じました。
因みに1巻はまるまる無料で読めちゃいます◎
けど描いてるうちに気づいたんだよ。
熱いお湯で食器を洗うから母さんの手はささくれてるとか
買い物の荷物は重いから意外追う腕に筋肉がついてるとか
(中略)
この人本当に家族のことしか考えてないんだって
絵を描いてなかったらこんなことにも気づけなかった。
矢口八虎/ブルーピリオド2巻:著者 山口つばさ
母の絵を描き、見せるも藝大に行く為機嫌を取ろうとしているのだろうと嬉しい反面疑う母に八虎が言った言葉。
ここのシーンで泣かない人はいないのではないかと思うほど、感動する場面です。
母が遠回しに普通の大学に行ってくれと八虎に釘を刺すような以前の場面も相まってより強い気持ちが湧き起こりました。
普通に大学に行って安定した職業につくことは子供への期待であり、多くの親はそうなるように願っていることも多いでしょう。
だからこそ、絵を描くという行為はギクシャクした空気を生みやすく親に対して申し訳ないと思う人も少なくはないかと思います。
こうした場面は絵を目指す人にとって非常に経験しやすく、私も八虎の気持ちがものすごくわかります。
好きなことをしているのになんだかいけないことをしているような、後ろめたい気持ちなどを抱きながら描くのは結構辛いことです。
そして、絵を描くからこそ気づくことって本当に沢山あるものですよね。
特に『重いものを持ってるから意外と筋肉がついてる』と言う場面は、絵を描き始めたからこその気づきであり、その感覚に共感する絵描きも多いのではないでしょうか。
僕 人の作品見んの趣味やねん
橋田悠/ブルーピリオド2巻:著者 山口つばさ
絵作りを学ぶため、世田介と予備校で知り合った橋田との三人で美術館の展示を見に行った時の橋田の台詞。
人の作品を見ることって意外と苦手な方も多いと思います。
絵を描くのが趣味なら絵好きなんじゃないの?と思われがちですが意外と絵画や他作品に興味がなかったり見るのが疲れるといった場合は割と多いんじゃないかなと思います。
ですが、上手い人ほど作品を見ますよね。敵を知り己を知るとはよく言いますが、他の人の作品を見ると言うのはインプットであり敵情視察です。
それを好んで楽しく出来るのはなんだか強くて憧れます。
…買うつもりで絵を見るって事?
矢口八虎/ブルーピリオド2巻:著者 山口つばさ
美術館や展示に対して、敷居の高さや難しさを感じてる八虎に対し「買いつけごっこはどうや?」と提案した橋田に八虎が言った台詞。
先ほど述べた通り、絵が好きだからとはいえ絵画や美術館が好きだとは限りません。
特にイラストやコミケなどのイベントと違い、美術館となるとなんとなく敷居が高いと感じたりフレンチ料理のように特別なマナーが必要のように感じたりします。
それゆえ小難しく、最初はなんだかハードルが高い場所のように感じる方も多いでしょう。
そして、知識がないと楽しめないようにも思いますがそんな時にこの「買うつもりで見る」というのを意識してみるとより仔細なところまで目がいき観察しやすくなるように感じました。
でも世間が良いっていうものにならなきゃいけないなら俺は死ぬ
鮎川龍二/ブルーピリオド2巻:著者 山口つばさ
この漫画のもう一つのテーマは、ユカちゃんこと鮎川龍二における性別や性的指向の世間とのズレ。
本当はこうしたい、こう表現したい。
けれど世間は認めてはくれない。
そういった葛藤や世間との折り合いがつかない苦しみを、絵とは別にLGBTQという形で表しているのではないかと感じました。
世間や皆が認めてくれるものや俗にいう世間にウケるもの。
でも、それって本当に描きたいもの?
絵を仕事にしよう、またはもっと評価が貰える絵を描こうと思った時に一度は当たる壁かもしれません。
予備校はいい絵を教える場所じゃない。受かる絵を教えてくれるところなんだよ。
高橋世田介/ブルーピリオド2巻:著者 山口つばさ
これを機に予備校に来なくなった世田介がその前に言い捨てた一言。
受験絵画という言葉は私自身初めて聞いた言葉なのですが、大学ごとに受かりやすい絵があるのはなんとなく知っていました。
イラスト系やデザイン系であればよりそういった傾向の絵を描く方が受かりやすい。
例え、自分の描きたいものを折り曲げてでも。
これは前述したものに通ずるものがありますね。
後に、それは以前の話で今は変わってきていると講師が八虎に教えるのですがやはり受かる絵を目指すのは根っからの表現者気質を持つ場合とてつもない苦痛なのだと思います。
校則だからと本当は男子の制服を着たいのに自分の性別に合った服を強制的に着ざるを得ない状況とも似ているかもしれません。
なんでも持ってる人が美術(こっち)にくんなよ。
美術じゃなくてもよかったくせに…!
橋本世田介/ブルーピリオド2巻:著者 山口つばさ
この世田介が八虎に言った台詞ですがこの時の世田介の気持ちが私もものすごく分かります。
八虎は勉強も出来る、人付き合いも上手くていわゆる「やれば大抵出来ちゃう人」
そんな人がなんでわざわざに美術の世界に来るんだ、という気持ちは数少ない椅子取りゲームに入ってくるなという厭悪感だったり「なんでも出来るからこそ」この少ない座席を奪わないで欲しいという気持ちだったり。
美術の世界はそこだけに心血を注ぎ傾倒している人も多くいますよね。
逆にいうと「絵以外をやってこなかった」人達。
そうした側から見ると、行き場もしくはしくじった時のあてが他にもある八虎のようなタイプは上記のような気持ちを持ちやすいのではないでしょうか。
俺の絵にもっと説得力があったらあんなこと言われなかったんだから。
矢口八虎/ブルーピリオド2巻:著者 山口つばさ
なぜ何でも持っているのに美術の道へきたのかと世田介に言われ、別れた後八虎がこぼした言葉。
理不尽な事や嫌なことを言われた時に自分に対する悔しさや怒りがまるで暴力のように自分に向くことが私自身よくあります。
しかし、意外とこの不快なストレスは促進剤でもありますよね。
「もっと上手かったら」
「もっと説得力があったら」
この感情は、結果的に自分の成長に繋がり振り返った時に嫌な思い出もありがたく感じることも少なからずあります。
それで何も言わないなら君は空気そのものだね。
鮎川龍二/ブルーピリオド2巻:著者 山口つばさ
本編とはあまり関係ないですが時々繰り出される鋭い台詞が大好きです。
空気を読むことは日本の文化ですが、自分の意見を言わずただ周りに合わせるだけならいないも同然。
そんな風に言えるのも強いですね。是非とも私も見習いたいなぁと思います。
ここにあるもんみーんな誰かが考えて作ってんねんやろ?
そしたらコンビニも美術館みたいなもんやん
橋田悠/ブルーピリオド3巻:著者 山口つばさ
同じこと考えてる人がいた!とついつい嬉しくなってしまいました。
イラストや音楽、小説やファッションだけが芸術ではなく、日頃周りにある全てのものが芸術品。
お菓子のパッケージ一つとっても誰かが創意工夫をし作り上げた作品そのもの。
ですがつい絵画や音楽など「分かりやすい」作品だけが芸術であるという勘違いをされてしまいがちに感じます。
どんなものでも作品として観察しそれを楽しめるのは絵を描く人の利点かもしれません。
「失敗」という概念は一度捨ててみて
そしたら今まで得た技術知識…
そしてこの絵があなたの味方をしてくれますよ
佐伯昌子/ブルーピリオド3巻:著者 山口つばさ
上手い絵や受かる絵、または世にウケる絵。
そういった絵を描こうとする時にこそ「失敗」という考えが浮かんでくるのだと思います。
絵を楽しむ事って意外に難しかったりしませんか?
ですが、楽しんで描いた絵やその絵を愛してあげることで絵が味方してくれる。
絵を心から楽しみ、本当に描きたいと思うものを本気で描く。
それが良い絵につながるのではないかと思います。
祈りを込めて描いてるんだ。
森先輩/ブルーピリオド3巻:著者 山口つばさ
描きたい事やどうやって描けばいいのかわからなくなる事ってきっと沢山あると思います。
実際、今の私はそういう状態なので描きたいものが明確に決まっている森先輩の一貫した意志はなんだか羨ましくてかっこいいなぁと思いました。
ウケそうな絵ばかり描いているとより絵に込める「気持ち」は薄れ絵しまいがちです。
そればかりか自分が何を描きたいのか?それも分からなくなってきてしまいます。
私もそうした「想い」を絵に込めて描いてみようと思えた一言でした。
それの何が大変なんすか?
矢口八虎/ブルーピリオド3巻:著者 山口つばさ
お絵かき受験勉強大変だなと担任に皮肉られるも真正面からぶった斬った八虎の一言。
ここは結構スカッとする場面でした。
八虎の場合、空気を読んで「いや〜ほんと大変っすね」と流しそうなのですがいつもとは違い半ば突っかかるような、それでいて凛とした八虎がかっこよくてそれだけ美術に本気なんだと感じる場面です。
お絵描き受験なんて茶化されたらやはりいい気分はしないでしょう。
ですが、そんな担任の馬鹿にしたようないじりも跳ね返す強さを絵を通して身につけているのがこの作品の面白い所だなと思いました。
画材いろいろ使ってみて
白黒のデッサンにも「イロ」が増えた
矢口八虎/ブルーピリオド4巻:著者 山口つばさ
白黒の絵にも「イロ」が見える。
そんな風に感じたことのある方は少なからずいるのではないでしょうか。
画風や質感、表現の方法を創意工夫することで白と黒という表面上の色に留まらず絵全体の「色」が見えてくる。
この感覚は、単にデッサンを数枚やったりするだけは得られないものだと感じます。
そして名画や所謂‘良い絵’は、実際には白黒でも画面全体がイキイキとして、鮮やかな印象またはモノクロ以上の感覚を味わうことが出来ます。
油絵(カラー)でも白黒に変換しても綺麗なのよ
大葉先生/ブルーピリオド4巻:著者 山口つばさ
名言というよりは、絵の参考になるなぁと思った言葉です。
私は眼精疲労の観点から常日頃携帯をグレースケールにしているのですがその状態でPinterestのイラストや絵をよく見る事があります。
そうして気付いたのは上手い絵は、グレースケールにしても“上手い絵”です。
カラーにするとコントラストが分かりにくいので一度モノクロに変換し絵を見てみるのも大事ですね。
1位の絵じゃなくて矢口の「最高の絵」を目指さなきゃね
大葉先生/ブルーピリオド4巻:著者 山口つばさ
つい良い絵とは何か、そしてそれと自分の絵を比べてしまう事がありますよね。
しかし1位の絵、誰よりも上手い絵を目指すのは苦しく厳しい道のりになってしまいます。
誰かは自分よりも絶対に上手いし1位じゃなかったら価値がないと感じてしまう可能性が高くなってくるからです。
誰よりも上手くなりたいという欲求は良くも悪くもキリがありません。
それから逃れる方法は大葉先生の言う通り自分の最高の絵を追い求める事かもしれません。
でも
マジメさに価値があるのは義務教育までよ
大葉先生/ブルーピリオド4巻:著者 山口つばさ
勉強には大抵の場合答えが用意されていますよね。
だからこそ型にハマった状態に陥りやすくなってしまうのではないでしょうか。
学校では正しいことが用意され、それを遵守し選ぶ事が真面目とされています。
しかし『ありのまま』を求められる美術においてそれはただの没個性。
美術における自由が表れている一言だなと感じました。
「楽しむ」って初心者でもできることじゃん
矢口八虎/ブルーピリオド4巻:著者 山口つばさ
上手く描けなくても、凝った工夫ができなくても楽しむことは出来る。
ゲームなどで最初に装備されてる初期スキルのようなものかもしれません。
どれだけ技術や画力がないと悩んだとしても、楽しむ事は誰でも出来る。
ですが絵を描き進めるにつれてその感覚は忘れていきがちですよね。
本当に絵を描くのが辛くなった時にこそ、一度初心に立ち返ってみるのが良いかもしれません。
じっ…自分のやりたいこと選んでて俺もやってみたいと思っちまったんだよなあ…っ
恋ヶ窪/ブルーピリオド4巻:著者 山口つばさ
夢に向かって努力する姿は、誰かを勇気づける事が多く同時に誰かを傷つけてしまうこともあります。
実際に私も似たような事を言われた経験があります。
「頑張っている姿を見たら頑張ろうと思った」
その台詞を聞いて自分の行動は自分以外にも影響があるんだ、自分の努力は意味があったんだと思えました。
努力することは自分以外の誰かにとっても影響を及ぼすことがある。そして、その努力すらも自分だけのものではないと言うことに気づくことが出来ました。
そして、八虎のこの頑張りは私自身もすごくエネルギーを貰っています。
楽しんで作って
それ否定されたら
立てなくなりそうで怖いんだよ…!
矢口八虎/ブルーピリオド4巻:著者 山口つばさ
講評ってものすごく怖い事だと思います。
添削でさえも逃げ腰で受けられない私にとって、作品に評価を下され自分の描いたものを否定される可能性があると言うことはとてつもない恐怖です。
だからこそ、本気で描く事から逃げる。
作品を描くことが怖くなる。
もし、否定されてしまったら心が折れてしまうかもしれない。
ネットに絵を晒すのもコンクールや添削に出すのも一定の勇気と強さが必要になってきます。
全員絵の描けるやつだと思って頭おかしくなりそうだわ
矢口八虎/ブルーピリオド4巻:著者 山口つばさ
試験当日、他の受験生たちを見た八虎の台詞。
美術館に行くことがたまにあるのですが、そこに来ている人たちは皆絵を描く人たちで勉強のために来ているんじゃないか。みんな敵なんじゃないか。
そう感じることがあります。
実際はただ絵を見るのが好きなのかもしれない。
ただ、暇つぶしで見ているだけかもしれない。
それでも猜疑心のような、そんな気持ちを抱いてしまう事があります。
ですが、結局自分がどうするのか。自分は何を感じて何を得たいのか。
他者を意識するよりもコントロール出来る自分自身を意識し、何事も楽しむ気持ちで物事を行う方が何倍も有益で楽しいですよね。
合格なんてどうでもいいから
この絵を描かせてくださいって気持ちが
矢口八虎/ブルーピリオド4巻:著者 山口つばさ
描かせてください、って気持ちは絵を描いているとすごく共感できる感情です。
評価や結果はどうでもいい。
今、描いている絵に全てを捧げてなんとしても完成させたい。
そういう気持ちは絵を描くうえで究極の感情かもしれません。
この数ヶ月間君たちは自分の弱さと強さに向き合った
そして描き続けた
それは結果ではなく必ず君たちの財産になるわ
大葉先生/ブルーピリオド5巻:著者 山口つばさ
全力でやったこと、情熱を注ぎ込んだこと。
それらは結果がどうであれ一生の財産になる事でしょう。
努力して得られるものは表面的な技術だけではありません。
継続や粘り強さなどの内面的な力となって、結果的には人生の財産になると私は思います。
色がいい人とそうじゃない人の違いは「色に対して神経を研ぎ澄ましているかどうか」
大葉先生/ブルーピリオド5巻:著者 山口つばさ
実際、色の感覚や色使いがものすごく優れている人っていますよね。
そういった人たちは色に対する感覚が繊細で多くの色を識別することが出来るのだと思います。
言語は世界。言葉を知らないことは、世界を知らない事。
そういう言葉を聞いたことがあります。
青がわからなければ、青を青として識別する事は難しかったりします。
昔は青は緑の一つだと言われていた時代もありますよね。
しかし今は青と言っても沢山の青が存在します。
私は色の感覚が弱いので、この機会に色彩感覚を育ててみようと思えた一言でした。
絵が得意でもずっとやっててもすごく好きでも
戦うことがツラいならそれを選ばなくてもいいんだよね
桑名マキ/ブルーピリオド5巻:著者 山口つばさ
この時のマキの屈託のない笑顔が印象的でした。
絵って楽しいことだけじゃないですよね。
自分より上手い人がいて、努力しても上手くいかなかったり競争の中で疲れてしまったり。
絵を描く事自体が知らず知らずのうちにその人を追い詰めてしまっている状態に陥る人は少なくありません。
だからこそ、無理に頑張らなくたっていいんだと思います。
選ばない事を選ぶことが出来る。
他の道へ進む選択肢や権利を誰でも持っています。
絵を描くのをやめたから終わり、ではありません。
自分が本当に楽しくて心地のいい選択を選ぶことも重要なのではないでしょうか。
でも君は正面からずっと戦ってきた
鮎川龍二/ブルーピリオド5巻:著者 山口つばさ
必死に努力を続けてきた八虎に対しユカちゃんが心の中で呟いた台詞。
八虎は今までずっと闘ってきました。
八虎が絵を描いている場面の殆どは、泣きながら描いてるシーンが多いです。
それだけ悩み戸惑い、全力でぶつかってきた証拠だと思います。
実際デッサンや絵を描く枚数は尋常じゃないほど多いです。
最初は要領の良いキャラといった印象だったのですが絵を始めてからの八虎は愚直に泥臭い努力を重ねるキャラに変わっていきました。
辛いことも苦しいことも正面から闘ってきた。
それはとても大変なことですが、八虎のように私も頑張りたいと思える一言でした。
そっか
自信はないけど
同時にとっても傲慢だった
…(中略)
絵を描くまで俺ずっと“透明”だった
矢口八虎/ブルーピリオド6巻:著者 山口つばさ
絵を描く事って自分自身と向き合う事そのもののように感じます。
思うように描けない事への苛立ち。
自分は何が好きなのか。
自分は何を表現したいのか。
自分はどんな人間なのか。
皆さんも八虎のように、自分がどういうものなのか絵を通して気づいた事があるのではないでしょうか。
楽しかったなぁ…
桑名マキ/ブルーピリオド6巻:著者 山口つばさ
ライブ終わり、受験と重ね呟いた台詞。
この時のマキの表情が印象的な方は多いのではないでしょうか。
いつもニコニコ笑っていたマキが(多少ブラックな面もありますが)こんな風にありのままの言葉を放つところが思わずウルっときました。
まとめ:全絵描きにオススメの漫画
油絵でもデジタルイラストでも、アナログでも絵を描く人全員に刺さる言葉が見つかるのではないでしょうか。
それくらい絵に大して必死に向き合う主人公やそれを応援する周りの人達の優しさ、絵の厳しさなどがリアルに描かれていました。
モチベーションにもなれば絵の勉強にもなるので、是非1度読んでみて欲しい作品です。
ここまで読んで頂きありがとうございます。ぜひ他の記事も読んでみてね。
ブルーピリオドめっちゃいいぞ〜。
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